◆順調だった商売
地方で親から受け継いだ菓子店をやっています。ときどき地元テレビにも取り上げてもらえるので、順調な経営をしてきました。破綻の原因は、地元のショッピングモールへの出店を勧められ、それに応じたことでした。テナント料や人件費も高いうえ、原料の値上げが追い打ちとなり、モール出店の際に借りた資金の返済が苦しくなりました。また、店が2か所になったことで効率が悪くなり、資金繰りが一気に悪化したのです。
モールへの出店は1年もたたないうちに閉店に追い込まれました。残った返済はリスケジュールを重ねてきましたが、保証協会(日本政策金融公庫の保証をしている)より「今まで様子を見てきたが、これ以上は応じられない。」と等と言われて、ほどなく自宅兼店舗に競売開始決定通知が来たのです。
夫は「父から受け継いだ店を失うなら死んで詫びる」と、ふさぎ込み、菓子の出来も悪くなった気がしていました。本店の売り上げまで落ち込んでいたのは、そのせいだと思っています。そこで私が主人に黙って、いろいろな先にリースバックをお願いして回ったのです。
◆競売取り下げとリースバック、買戻します!
知り合いには援助や買受けは断られましたが、ここに相談した結果、無事リースバック契約を結ぶことができました。もちろん、競売も取り下げです。あとで聞いたら、もっと早く相談していれば、競売申立費用を節約できたようです。困っているばかりで、相談する知識もなかったので、もったいないことをしました。今は、後を継いでくれる予定の息子が、他社で修行中です。2年後には息子にローンを組んでもらい、買い戻す予定です。主人も息子と一緒に店を続けられる日を楽しみに、一層仕事に打ち込んでいます。
◆我が家のケース
店舗兼住宅:買取価格1050万(店舗付住宅) ※本店舗付住宅の市場価値は1800万円
内訳:借金返済660万+競売費用80万+売却費用45万+リースバック初期費用約50万
※差額は手元現金
月々のリース料:約9.2万円(修繕費は元所有者である賃借人負担)
子息買戻し予定額:1200万円