本来、親子間売買によるリースバックは、当事者(親子)間での取り決めが整えば特に問題ありません。
うまくいかない最大の理由は、その不動産に担保権設定があるためでしょう。
それでも買受側が一括で現金決済できるのならば、先ほどの当事者間で…という話になるのですが、買う側がローン利用となると難しくなります。では、なぜ親子間売買でのローン利用が難しいのでしょうか？契約事項に売主が買主の近親者でないこと（書面上はもっと専門的な用語が並びます）と記載があるから。でも、それだけでは納得しづらいですね。
債権者目線で見るとこうなります。親が住んでいる物件を子が買う…住宅ローン控除の対象外ですよ？相続が発生すれば自動的に受け取ることができるのに、わざわざ登記費用や諸税を払ってまで子どもが買い取る理由はあるのでしょうか？新しいローンの名義人(子)はそこに住むのですか？貸し付けたお金は本当に住宅取得のために使うのですか？となります。
また、子どもの将来の選択肢を奪わないためにも冷静な判断が必要です。たとえ親子間売買が成功したとしても将来、子どもは自分の家をローンで買うことをはじめ、大きな買い物はできない可能性が高くなります。これは親の債務について、子どもを連帯保証人とする場合も同じことが言えます。
